三陸わかめの三陸って何?
江戸時代、おおよそ宮城県、岩手県、青森県のエリアは陸奥の国と呼ばれていました。
明治元年、陸奥の国は陸前、陸中、陸奧の3つに分けられます。この3つの陸の沿岸で水揚げされるわかめが三陸わかめです。
ただし、陸奧(現在のほぼ青森県)のエリアではわかめ養殖は行われていないので、実質、三陸わかめとは宮城県と岩手県で生産されるわかめのことです。
三陸わかめの特徴
三陸わかめは、葉が細く長くて肉厚、そしてシャキッとした食感が特徴です。これは、三陸わかめが採れる漁場環境によるものです。潮の流れが速い漁場では、流れに負けてちぎれないように葉肉を厚くして自分の身を守ろうとします。そして潮流に対して抵抗が少ないように細く、また栄養塩を吸収する体表面を増やすために長く葉を伸ばします。
逆に、潮流の穏やかな内湾エリアでは、葉肉を厚くして身を守る必要がないので薄く、栄養塩を多く取り込もうと広く葉を伸ばします。この潮流の速い外洋漁場で育ったわかめが三陸わかめとして評価の高いものとなります。
潮流が速い漁場で育ったわかめは、細胞の密度を高くすることで丈夫な葉になり、多くの細胞壁で守られていることでシッカリとした食感になります。逆に潮流の穏やかな漁場では細胞がゆったりとしており、細胞壁が少ないので柔らかい食感になります。
わかめの美味しい時期はいつか?
わかめの収穫時期は、12月~5月の連休前までの約6か月間です。10月から11月に種をロープに挟みます。12月の後半になると宮城県の塩釜、石巻エリアで早稲種の刈り取りが始まり、当社でも1月4日から南三陸町での刈り取りをスタートます。この時期のものは主に生原藻かボイルしただけの状態で、早採りわかめとして店頭に並びます。柔らかくて茎まで食べられるのがこの時期の特徴で、3月くらいまでの3か月間です。2月に入ると宮城県の内湾漁場の刈り取りが本格化し、3月の10日前後から宮城県の外洋漁場、そして岩手県の刈り取りがスタートします。
4月の後半になると緑色がくすんだり、毛藻(白い産毛のようなもの)が目立つようになり品質の劣化が進みます。わかめの美味しい時期がいつかといえば、期間限定の柔らかい食感のわかめを好む方にとっては1月~2月ということになり、三陸わかめ本来の品質が評価される時期としては3月後半ということになります。